2015年08月17日

【WCS2015】国際シンポジウム「文化交流・観光におけるポップカルチャーの役割」

2015集合世界コスプレサミットの会期期間に、国際交流とコスプレを含めた日本のJ-POPカルチャーの活動を学術面からより深く掘り下げ、情報交換の機会として注目されている「世界コスプレサミット2015国際シンポジウム」が、2015年8月1日(土)名古屋国際ホテルにて開催。この会場での開催は、今年で3回目を迎えます。今回のテーマは、「文化交流・観光におけるポップカルチャーの役割」主催者を代表して、小栗徳丸実行委員長より挨拶。外務省国際文化交流審議官・新美 潤大使をはじめ、学術委員会・中村仁氏、八巻恵子氏、出口竜也氏が登壇。文化交流・観光におけるPOPカルチャーの役割について、それぞれの専門分野の視点からの発表と情報交換が行われました、
 
 世界コスプレサミットの開催に合わせて、学術的情報や研究についてのシンポジウムは、かなり前から開催されていましたが、組織的に学術委員会が結成され、主イベントに合わせて、名古屋都心部にて、シンポジウムが開催されるのは、今年で3回目になります。今回は、「文化交流・観光におけるポップカルチャーの役割」に焦点をあて、学識者と外務省より新美純大使を迎えて、コスプレを中心とした、日本のポップカルチャー(注:海外からは、漫画・アニメは、日本の主たるカルチャーとして捉えられています)の役割や評価、与えた影響について発表がなされました。
☆コスプレサミットとは
(小栗徳丸(世界コスプレサミット実行委員長)挨拶要約)

 本日は暑い中、名古屋にお越しいただきありがとうございます。
コスプレサミット 2009年より実行委員会形式で開催、9つの団体で主催 外務省・愛知県・名古屋市が団体参加しています。(学術委員会の説明>>)学術委員会は、今年3年目。同人のような集まり、好きな人の集まりから、参加国が増え、国際交流も活発。それを楽しむ人たちも非常に多種多様になってきた。(作中)聖地巡礼も流行ってまいりましたし、いろいろなコスプレサミットが与える影響が大きくなったことから、学術委員会の組織の中で、その現象を調べていただいています。今年の特徴、参加国が4か国増え、26の国と地域から参加。ベトナムとフィリピン、ポルトガル、中東から初めてクウェートが参加 今後新規参加国が増えていくことが予想されている。というのは、現在でまだ32の地域が参加ウェイティング(待機)している状態。2020年までには、コスプレでつなぐ世界交流の輪をにんとか50〜80まで持っていきたいというのが最近のスローガン。今後ともごひいきによろしくお願いします。


☆文化交流と観光におけるポップカルチャーの役割
 (中村仁(司会・日本経済大学大学院経営学研究科准教授)) 
 開催趣旨について>>
 今回の演題を「文化交流、観光におけるポップカルチャーの役割」世界中の人々が、ある国に親しみを覚えるきっかけ たとえば、ドラマ・食文化、アイドル 昔の作家だったりする それぞれのテレビ映画などのさまざまなメディアや実際に体験した食文化・ファッションを通じて、それぞれの国のイメージが形成されてくる。そのため、さまざまな国の多くの人々から高い好感を得るということは、観光や貿易、安全保障に至るまで、とても重要な要素になっているのが現代。近年、日本の中で、アニメ漫画ゲーム、ライトノベルなどがあり、その中でコスプレとか同人活動とか、逆に同人活動から、アニメやゲーム、漫画が生まれるものもたくさんあるので、渾然としている部分もあるが、こういうところの日本のポップカルチャー、もちろん、音楽とか演劇も含まれるが、そういったものが単に楽しみのために消費されるというだけでなく、日本と日本の人々への興味関心が生まれるきっかけにもなる。
 さまざまな国で放映された日本のアニメを見た少年・少女が作品に登場する生活や食文化を目にすることで、日本や日本の人々に関心を持って、いつかは、日本に行きたいと考えるきっかけになる。私、フラデェルフィア(米)の学会に行ったとき、日本のロリータ(ファッション)をひたすら研究している25歳の女性から、「日本はとてもコストが高い国だが、いつかは、日本に行って、その姿を見てきたい」その方は、日本に来たことはないが、憧れの国になる1つのチャンスである事例。
 もちろん、将来「忍者」になりたいとか、その中で、比較的少年少女・青少年の世代にとっての重要なツールなっているところがある。具体的に観光や文化交流つなぐところの手前に、日本への関心、日本文化への関心への高まりがあるわけですが、これはフィールド的な分析が難しくて、評価もなかなかできない。実際に観光に来ました。文化交流、日本人の何か(イベント)に行きました。となると指標値になるが、まだ、関心を持っている。自宅でアニメを見ている、ゲームをやっているだけでは、なかなか現れないので、日本のアプローチとしても、(具体的な潜在的なものが)見えないところでやるのかというところが難しいのかなと。
 ただ、そういうきっかけがあるからこそ、その後、日本に来たりとか、もちろん、我々が他の国に行くわけですが、文化交流のきっかけになるということも、間違いない。このような状況の中で、本シンポジウムは、コスプレを含むポップカルチャーに焦点を当てて、主に文化交流や観光での役割について、分析的な視点から考察する


☆コンテンツツーリズムとコスプレ
−聖地のものがたり構築をめぐって−
 八巻恵子(就実大学経営学部准教授) 
 専門分野が、文化人類学の八巻先生から、観光面での名古屋と岡山のコスプレイベントによる観光振興の比較事例についての発表
 名古屋のコスプレサミットに関しては、何年前から通い続けています。実はわたくし名古屋生まれ、親しみをもっています。このイベント自身は、大須の夏まつりのイベントの1つ その頃、大須太鼓、阿波踊り、エイサー、演歌歌手に交じって、コスプレをやっているので大須商店街というのは、懐の深い商店街だなと思います。こういった商店街のお祭りは、地域のお祭りですので、本来は、地域が日常から、非日常へと時間を区切る儀礼的な意味がある。地域共同体は、大きくなってしまって、名古屋のような大都市では、共同体が見えにくくなっています。でも商店街のようなところはある訳です。そもそも小さな閉じたようなところでは、お祭りというのは、死と再生という意味があり、一度日常を区切って、祝祭的な時間をもって、また日常に戻るというそういう意味があります。
 これは、世界中に見られる人類普遍な現象
 そもそも「祭」を見る観光として、そのなかでコスプレがある。祭りの多様性・グローバル化しているので地域と関係のないものが入ってきているなと見ていた。

 記者注:当時、電脳街・サブカルチャーをけん引する地元大手PCショップが、秋葉原のようなメイド喫茶・コスプレレストランをけん引、その中の事業的プロモーション的な意味合いがあったため、地域のお祭りの中に入り込んだという見方もできます。
 その際に、見る側と見られる側という観光者と観光者を受け入れる側と対立があったと思います。こういったものが、コスプレのイベントが人気があって、どんどん大きくなった。商店街のお祭りから独立していったという経緯があった。いまやコンテンツツーリズムであります。今まさしく祝祭都市空間が名古屋に創造されている訳です。
 「物語空間」というような祝祭空間を作りました。この空間というのは、国境を越えた老若男女誰でもよい、誰でも参加ができる。多種多様な物語が、内包します。どんな物語でも、1つの物語ではない。たくさんの物語を各自が楽しんでいる空間になりました。そういったことで、観光の仕方が変容してきました。
地域の文化を見る祭りの観光から、ゲストとホストの垣根を越えた好きなものつながっていくような「交流型」の観光に変化していきました。こういったところが面白い。
 この写真(会場資料)は、カフェの中でコスプレイヤーさんが、たまたま休んでいた。それが面白いので、中のコスプレイヤーさんの写真を撮るのですが、コスプレイヤーさんがポーズをとってくれる。これが商店街の中で起きている現象で、交流型になっている。いまやコスプレの聖地・NAGOYAなわけです。
 この名古屋の世界コスプレ大会が非常に良いなと思っていることは、ポップカルチャーだけではない。物語がたくさんありますけど、世代や時空を超えたあらゆるコンテンツを楽しむトランスカルチュリズムのことを超えています。そして、今日の午前中に開催されました「徳川宗春道中」が典型的なのですが、リアルな場所、ポップカルチャー・コンテンツツーリズムでは、ここに名古屋に関係のないものと名古屋の元々の文化物語も取り込んで、大きくなっていくこのスタイルが良い。名古屋がそういう場所として成立していったということは、たまたま名古屋だった訳ではなく、私は、名古屋にそういう土壌があったのではないかと思います。
それは、地域が持つ「寛容性」とか、「柔軟性」とか、「適用性」の高さ、異文化に対して柔軟に受け入れる、異質なもの今まで無かったものでも、取り込んでいって、共存する。そういった地域の文化が元々あったんではないだろうかと思っています。
<岡山での事例>
 では、せっかく岡山から来ましたので、岡山もデビューしたてなんですが、あちらでは、どういうコスプレイベントをやっているかということを紹介したいと思います。岡山という場所は、あまり観光振興が進んでいなくて、いま一生懸命やっていますが、ちょっと面白い試みあり、倉敷市は、観光都市で美観地区で有名ですが、この中に、真備町という町があります。ここで、「金田一耕助」というキャラクターを巡る町歩きのツアーをやっていました。たまたま発見したというか、宣伝をしていないので、噂みたいな感じで、地元の人に聞いて聞いて、やっと、誰が何をやっているか、分かったというような、主催者も分からない宣伝もしていないのですが、好きな人が、「ここ(真備町)」に行きついた。タイトルが「巡・金田一耕助の小径」横溝正史のミステリー小説にでてくる、名探偵・金田一耕助、このファンの聖地となっているわけです。コスプレをして歩きましょうということになっている。いろいろ聞いてみると、「金田一耕助」でなくても、横溝正史のミステリーに出てくるものであれば、なんでも良いというルール。関係のないコスプレはしないでくれということで、このコンテンツに特化したものになっている。申込窓口が倉敷観光課になっているので、行政がやっているのかなと思いきや、確かに実行委員があって実際に運営するのですが、企画がオブザーバーと呼ばれる人が、6人〜7人いるそうです。これはミステリーファンから成り立っている。すごく重要なのは、真備町の中の岡田地区というところが、元・真備郡岡田町、倉敷市に合併する前の地域、ここに岡田町づくり協議会というものがありました。ここの元の人たちが、非常に今も元気に意見を言っているということです。
 資料写真・通称「千金」結構田舎の感じなんですが、ぞろぞろと金田一耕助の恰好で歩く。男性、女性も交じっていますし、子供もいる。それから犬にこの恰好をさせて連れてくる方もいるそうです。古いもので、渥美清が演じた金田一耕助姿もあれば、最近では稲垣吾郎ちゃんとか、いろいろバージョンがあって、石坂浩二バージョン、古谷一行バージョンに近いと思います。
 動画がYouTubeで流れている、見ているとカランコロンカランコロンとずっと音が流れていて、結構高い下駄で歩いていて、なぜ「千金」かというと、一応キャッチフレーズが、「千人の金田一耕助(千金)」2009年から始まったイベントで、今年が6年目になります。また秋に開催予定。一応千人を目指している金田一耕助
昨年は、100名ちょっとが参加。最初20人から始まって、続々増えてきている。最初はWebで公開していたのですが、北海道や九州からこれを「待っていました!」とばかりに参加が集まった。
場所的にどう動くかというと、岡山駅から見て、真備町岡田エリア(この小さな場所)になります。特に岡田地区というんですが、2009年に倉敷市と合併して、それを記念して何かやろうというのがきっかけだったらしい。ここの地域自身は、人口は増加しつつある。2.3万人ぐらい、小さなエリア。北の方は、昔ながらの農村(この観光イベントの舞台)南の方は、倉敷市で働く人のベットタウン。
合併したので、アピールしようとしたが何もなかった。マスカットとか筍とか、別に驚かないものがあって、これでは、インパクトがない。考えているときに出会ったのが、オブザーバーと言われる人たち。その中に、タウン誌のライターさんがいたり、全員が、たまたまミステリーファンだった。過去に横溝正史が戦後3年ほど疎開していた時があった。元々も神戸の人だったが、頼って戻ってきた。
 実際1駅5km程度しか歩かないのですが、ここで、一番最初に金田一耕助が登場したという「本陣殺人事件」という作品にそって歩きます。駅のところに、何月何日に金田一がいたと書いてある、そうすると当時の時刻表を持っている鉄道ファンがいて、そうしたら、この列車に乗っているはずだ。というところからスタート。
きっと、何時何分は、この辺にいたはずだ、とずっとめぐっていく。このようにファンがぞろぞろと歩いて行って、だんだんコスプレも進化していって、「佐清」では、驚かない。本陣殺人事件作中の、たま(猫)のコスプレも出てきたり、鐘、風鈴のような事件のアイテムも、ぞろぞろと歩いている。
現地でゲストとホストの記念写真を撮って交流を楽しむ 元岡田地区の人たちが小芝居・寸劇をしてくれる。

 このイベントの成功は、まず地域ありき、観光ですので、この「岡田」をどういう風に知ってもらおう。はるばる来てもらう人たちにどうやって喜んでもらおう。という風に一生懸命考えたそうです。実は70年前、横溝正史が疎開した時も、岡田の人たちは温かく迎えたそうです。その時と同じように70年経っても、岡田に来てくれる人たちを温かく迎えるという地域の人たちの優しさがあると行政の方々からも評価。
 地域の物語は、観光資源になる。「聖地」は、創造することができるというのが、観光の考え方。

 最後に、観光人類学の視点から一言。
異文化接触と異人歓待 観光人類学の視点から
 異人(stranger)=共同体の外からやってくる人
 ・まれびと信仰、来訪神
 ・良い神と悪い神
・異人歓待=異人を保護し、命を守る行為
 ・人類が普遍的に行われてきたこと
 ・ホスピタリティ(Hospitality)の語源
・共同体間のネットワークを構築
 ・異人を排除してリスク回避するよりも異人を取り込む利益の可能性が高い
 ・信頼のつながりを持つことが相互に反映する原理

 名古屋の多様性、柔軟性は、その部分に繋がっているのではないのか?


☆ポップカルチャーと観光
 〜観光目的としてのコスプレを中心に〜
出口竜也(和歌山大学観光学部教授) 
 日本の国公立大学で、唯一「観光学部」として専門の研究学部のある和歌山大学から、出口教授による発表、

 コスプレを中心に考えますが、少しポップカルチャーの概念を広げて、他のコスプレイベントにないWCSの独自性を明らかにしていきたい。観光目的としてのコスプレを地域振興につなげる為には、一定の処方箋になるだろう。WCSのこれからの課題にも
 まず最初に、観光目的のポップカルチャー
いろいろなところに、ポップカルチャーを使った観光振興の取り組みがあるが、ここでは分けて考える
1.コスプレイベント 2、よさこい・ソーラン関連 3.B級グルメ 4.ゆるキャラ 5.芸術祭
最近の事例
 ・ダメな地域ほど、これらのことを「よそがやっているからとりあえず」実行している
 ・そこには、「何のためにやるのか」が欠落している
 ・なので、地元の人たちの協力が得られない
 ・その結果としての失敗事例が累々・・・
<本質から考え直してみる>
 ・なんのための「よさこい」をするのか
 ・なぜ「ゆるきゃら」を作る必要があるのか
 ・なぜ、A級ではなく、B級を名乗るのか?
  -最近は、後付でB-ブランドとの解説も
 ・なぜ、芸術祭なのか
 ・・・そこに本当の必然性があるのか

 必然性、そこに行かないといけない理由、その地で開催しないといけない必然性、理由づけがなければ、地域に根付くことはない。例えば、これらはゆるきゃらですか?(ドアラ、トラッキーなど)ご当地グルメは、B級グルメですか? 自分たちが大切にしているモノにわざわざ「B」という冠はつけないでしょう。
<観光の本質>
 観光客が求めているものは、「良い街」良い街とは、地元の人たちが理解して大切にしている。良いものは、手間暇かけないとできないし、守ることができない。手間暇かけて作ったものは、評価が必要。何よりも、地元の人たちが、良いものを評価して、しっかりと作った人たちに敬意を表して、作った人たちが生活できるような対価が与えられないと続かない。いいものをいいものとして評価して、大切にしていかない街に、そもそも観光客は、来るでしょうか? 来ても2度目は無い。いろいろなところで体験して辛い思いを多々した。
WCSでは、独自性が高いのか、私は、おもてなしの視点から 観光で「おもてなし」の話をする場合、欠かせない要素として、しつらえ、よそおい、ふるまいの3つの要素がある
 ・さまざまな偶然が重なることで、名古屋に潜在的な「しつらえ」が整った
 ・潜在的な「しつらえ」をWCSがまとめ上げる際に、「よそおい」と「ふるまい」で顕著的な「必然性」にしたこと
<WCSの「しつらえ」「よそおい」「ふるまい」>
 「しつらえ」 多様性を受け入れる街(大須商店街)
 記者注:この場合、主催者が、大須の地元大手企業・寺社(テレビ愛知・GOODWILLやお寺)ということも大きく影響したと考えられます
 愛知万博の開催、グローバルな展開が実現、コスプレを支える地場産業、特にブラザーの存在は大きい。
ミシンやカラオケなど、コスプレイヤーの活動に親和性の高い産業が名古屋にあった。
 首長(河村名古屋市長・大村愛知県知事)おそらく、東京でWCSはできなかった。今の大阪はなおさら無理。でも名古屋で開催を実現。
 「よそおい」 世界の頂上(サミット)を目指して訪れるコスプレイヤーたち。素敵なよそおいを持って、素敵なふるまいをしてくれます。作品・作者、そして名古屋に対する敬意・愛着。こういったものを世界のコスプレイヤーたちが、持っている。それが、参加者のピラミッド状のエネルギーを頂点から引き上げる形になっている。各国の代表が、毎年良い衣装・パフォーマンスを演じる それを見た一般のコスプレイヤーたちが、自分たちも「あんな素敵な姿になりたい」と感じて頑張る。それを初心者たちが見て、さらに引き上げる。
 こういったピラミッドの頂点を引き上げるような仕組みが、WCSにある。コスプレと地域振興、これを考えていくうえで、WCSから得るものは大きい。大切なもの、大切にしないといけないものを自覚している人たちをしっかりと支えることをWCSは出来ている。
 「ハレ」の舞台が用意されている。滞留時間を延ばす仕組みが年々出来上がっている。
お金を使うきっかけづくりが行われている。今後の課題しとて、テーマならでは、地域ならではの商品の開発。できるだけ地元の材料を使って、製造して販売できる仕組み。そうすると開催地域に経済効果が出る。
地域振興に寄与するでしょう。地域の「お宝」を提示できれば、あくまでもきっかけはコスプレだったかもしれないが、こんな良いものがあるんだと2度3度の再来訪か期待できる。
郷に入れば、郷に従え WCSは、日本の作品に、名古屋対してリスペクトを持って世界のコスプレイヤーたちがやってきているということが凄く良い。
 自分たちが大切にしなければならないモノやことをしっかり自覚していますし、そういった大事にしているモノを持って来る人たちに対して、非常に素敵な敬意が払われる。それがお互いの気持ちを盛り上げていると考える。


☆ポップカルチャーと外交
新美 潤氏(外務省国際文化交流審議官・大使)
 今回は、私的見解として、政府の文化振興・海外交流の立ち位置について、わかりやすく解説されました。
 私の前に、八巻先生から人類学、出口先生から経営学の視点でお話がありました。私にとって目からうろこ
外交の観点から、実務の面からみなさんの知的好奇心を満たしてもらえればと
 クリエーター向けソフト会社・アドビから、主要先進国での調査アンケートの中で、「世界の中で、クリエイティブな街、カッコいい国はどこですか?」という調査がされて、なんと「日本」が1番。実は、日本は世界の人々から見てもカッコいい、クリエイティブな国という調査結果がある。これに対して、同じ人たちに対しての調査「あなたは、自分の国がカッコいいと思いますか」という意識調査に対して、「ハイ(Yes)」と答えた割合の高い国が、米国だった。日本人自身は、意識がダントツに低い。
 外から見ると日本は、クリエイティブでチャーミングなのに、実は日本人自身が、全然認識していない。
そのことから言えることは、1つは、我々は自分たちの文化、自分たちの魅力に関心と自信を持って良いのではないか。もう1つは、だからと言って、図に乗らないよう意識しないといけない。
 外務省の文化外交について、ポップカルチャーの位置づけ。相手の人々に働きかける外交として、非常に重要な位置づけがされている。政治家・オピニオンリーダー(マスコミ・経済人等)・予備軍(学生)・青少年一般人、いろいろなレベルでの働きかけが必要でしょう。
 昔は、ウィーン会議に代表されるように、王様・貴族など一部の支配層が、1国の方針を決めていた時代とは異なり、今はほとんどの国が、民主主義。国民の世論がその国の日本に対する外交的な動きを決める。そのため、いろいろなところに働きかけなければならない。もちろん、政治家等に代表される各国のオピニオンリーダーに対して、日本の政策を発表したり、日本に来ていただいたり、知的交流・シンポジウムを開催したり、日本の研究を支援したりと、学生さんたちは、留学生として日本に来ていただく、という活動と同時に、若者を含めた一般の人たちに、日本語を教える、文化交流をする、その中で、ホップカルチャーは重要ではないか。青年層に人気が高いポップカルチャーは、日本及び日本文化の・言語に対する関心を引き起こす入口であるだけでなく、伝統文化と並び、多様な日本文化の大きな要素の1つ。ポップカルチャーを通じて、日本のクリエイティビティ、日本の社会を紹介する多面的な日本の魅力を効果的に発信できる。ちなみに、国際交流基金の調査では、海外の漫画・アニメへの関心は、日本語学習の動機の第三位を占める。ある意味で、アニメ・コスプレを含めて、日本、あるいは日本の文化に関心を持つ非常に重要な入口になっている。
 我々が実際外務省で、文化交流をやったり対外発信をやっているときのジレンマは何か? 現在グローバル化で世の中には情報があふれている。ある研究によると我々個人がアクセスできる情報は、10年前に比べて100万倍〜1千万倍に増えている。当然ITだけでなく、SNS等みなさんがアクセスできる情報は、個人では処理できないぐらいすごい量になっている。そうなると、日本政府とか日本の人々が、情報を発信しても、よっぽどの努力をしないと相手に届かない。みんな情報の波で溺れている。向こうが関心を持ってくれない限り、こちらが一方的に、大きな声で発信しても、受け手が関心を持って聞いてくれなければ、ほとんどの情報が捨てられてしまう。昔だったら日本政府が広報する、例えば歌舞伎のツアーをニューヨークで公演する。というだけで、結構関心を持ってくれていたのですが、今は、情報が山のようにあるので、それだけでは、相手の耳に届かない。あまりの情報過多で、相手の耳に入らない。これが21世紀の文化外交のジレンマ。
 もう1つは、政府に限らないが、国や政府が前面に立つと嘘っぽくなる。やらせとみなされる、実際日本のいろいろな外交問題があるが、難しいのは、政府自らが出ると、反発される。大手ハンバーガーショップが、わざと行列を作らせた。それがばれて、反感を買った。当事者が前に出すぎるとかえって、受け止めてもらえない。下心が見え見えになってしまう。この部分が、外交をやっていくうえで、非常にやりにくい。その上で、何がどんな働きかけが大切なのか、他の方の受け売りですが、私は人と人のつながりじゃないかと思う。みなさんの個人と個人とのつながり、外務省が100回日本のPRをするより、みなさんが仲の良い親しい人たちに、日本って良いんだよね あそこのレストランは、おいしいんだよね と友達に紹介する行為 いくらレストランが、宣伝行為をしても、みなさんが、信頼できる人が一言言う方が、よっぽど耳に入る。実はこれだけ情報があふれかえっているがゆえに、個人個人の情報のつながりの方が、はるかに情報価値として重要になっている。これは、外務省ならず一般的なコミュニケーション論として重要。
 そこで、以下は、外国人マークデュキャナー氏の受け売りですが、著書「複雑な世界・単純な法則」の中で、
ある人が、あることを世界に伝えたい。例えば、名古屋の魅力をどう伝えるか 知り合いの人たちに情報を伝えると、世界に広がっていくでしょうか、実はあまり広がらない。なぜか、付き合っている人たちが限られている。いろいろな共通項の中でのつながりで情報が閉塞。自分に近い人だけに情報を伝えてもなかなか広がっていかない。そんなときに、ちょっと離れている人に情報がつながる。飛び越していくと、人と人のネットワークが広がってくし、さらには、コアになる人からの情報発信に期待。
 なぜ、コスプレサミットを支援しているのか、ある意味、皆さんが感じたと思いますが、全然違う外国の人たちが、本来のみなさんの知縁と関係のない人たちが、コスプレ、漫画・アニメなど共通の趣味を通じて繋がりを持つ。全然自分とバックグラウンドが違う人たちとつながっていく。この形成がすこく大事なことではないかと感じている。我々にとって、なじみが薄いとこかもしれないですが、みなさんも1回や2回、仮装したことはあると思います。
 今でも、文字・絵画があり、その延長上に、漫画アニメ(鳥獣戯画も含め)動く漫画としてアニメがあって、テレビゲームがあったり、コスプレがあったりと並行的に続いている。アニメがバーチャルにテレビになったり、アニメをリアルに経験するコスプレ、これらはも私は子供の時になかったことですが、その発展は、ITを含めて技術革新があるからこそ、今の時代がある。テレビゲームは、どんどんハイテク化し、リアルに近いバーチャルな世界。先週NHKでも紹介されていたが、ゲームセンターで、レーシングゲームを楽しむプレイヤーを本当の自動車のレーシングの会社が採用して、本当のレーサーとして育成。バーチャルからリアルへ。コスプレももっとどんどん進歩していくのではないかと思う。私が、もしこの歳でコスプレをするとしたら、絶対ロボットを操縦したい。次の世代のコスプレは、もしかしたらお台場のガンダムのようなものを実際に操縦できる時代が来るのではないのか。
 最後に、文化と文明の違い。一般的に文化は、その国に固有なもの、それが外国に伝わっていく。自分にとって大切にしているもの、それが文化。他方、文明(シビリゼーション)は、普遍的なもの・一般的に受け入れられるもの。世界に共通するもの。そうすると、例えばハンバーガーやピザ、これは米国やイタリアの文化が一般的なものになっているのではないか。みなさんが、ピザを食べるときに「これはイタリアだな」と感じることなく、世界中どこでも食することができる。文化、例えば歌舞伎に代表されるように、世界に普遍化しているかというとそうではない。文化交流での1つのジレンマは、お寿司はかなり「文明」に成りつつある。ワシントン・ニューヨークに6年駐在したが、ワシントンのスーパーマーケットに普通に「寿司」が置いてある。5〜6才の子供が、親に枝豆をねだる姿も 実際日本食は、文明になりつつある。
 漫画もそうかもしれない。コスプレもそうなるかも ただ、我々文化外交をやっている立場では、それが文明になってしまうと、支援する意味がなくなる。日本固有のものではなくなってしまう。コスプレは、まだここまでは移行していない。まだ(日本)文化だけど、どんどん、「文明」に向かっている。ですから、我々も支援したいと思いますし、理想を言えば、「文明」になってしまって、我々が支援しなくても世界にとって、共通なもの、当たり前のものになる日がくるのではないかと思う。


総括・主催者まとめ(中村氏)
 ポップカルチャーが観光に役立たなければならないのかということではなく、皆が楽しんでいる中で、副次的な効果で、観光の動機になったりとか、文化交流になったりとか、話をしたことの無かった人たちと、話すきっかけになったりとか、どんな役割が持てるのか 我々は日本に住んでいて、私は東京に住んでいますが、SNSでは、何か好きなものがあっても、それが好きな人は、そこそこ居る環境。
 前に、米国で調査した時は、自分と共通する好きなモノがあるということは、半径100km以内。
店舗も300km圏内にはある。ちょっとミーティングを持つとしたら、州をまたぐ。遠隔の交流の場合がある。日本の場合は、比較的近くで集まることで、なんとか、その話ができる。米国の人であれば、同じ趣味の人と直接会って話すということ自体があこがれ。日本の場合は、そこの部分は満たしやすかった。それでも、なかなか会えない人がたくさんいるわけですが・・・。
 コスプレサミットの面白いところは、偉い人から、普通の人たちまで、参加している。例えば、河村市長とか大村愛知県知事が、コスプレをしているということは、びっくりする。私は最初に見たときは、びっくりしたのですが、そこで、コスプレをしていなかった時より親和性があり、例えば、選挙活動で1回握手すると好感度が高まる。
また、町おこしでアニメが制作されて、日本はおろか、世界中からみんなが来てくれて、その町に3軒しかない雑貨屋に、人が押しかけてくれないか そういう話(相談)が、当然あるわけです。私の実家で離島がNHKドラマで取り上げられたとき、誰か観光してくれないのかという話題も上がったが、その島にレストランが無い。飲食できるところがない。国民宿舎に誰かが止まっていて、そこで食事をすることしかできない。
それで、外食が増えるのではないかという話が現地で出てしまうので、名古屋は都市地域ですから、元々整備されていて、どんどん来訪者・観光者が増えてきたときに、それを受け止める、逆に、東京ほど拡散していないということも感じている。


最後に一言
【八巻】
 「名古屋は、お手本のような街になってきているので、理想のようなことを言うなら、名古屋のような街が他にも表れて、別の物語を作ってくれるような「聖地」になっていくと良いなと感じます。」

【出口】
 「大須商店街のような、素敵な商店街が日本全国に拡散してくれたら、本当に楽しくなるなと感じていますし、それから、コスプレサミットでは、あと何か国が増えるのかなとか、増えたらどんな展開するのかなと考えたら、それだけでわくわくします。」

【新美】
 「時間が無くて言えなかったのですが、世の中には4つのカテゴリー 日本の中で、オタクと普通の人。世界の中で、世界のオタクと世界の普通の人。全部で4つあると思う。オタクとオタクはつながる。一般と一般はつながる。時として、オタクが一般の人にアピールする。多分、コスプレサミットは日本のオタクと世界のオタク的な人とつながっている。今、それが日本の一般の人々、世界の一般の人々にアピールするようなっている。これから先生方からもお知恵をいただきましたが、ある意味、東京の永田町や霞が関で政治家や役人と話をしていて、「コスプレサミット」は、(私は文化を担当しているので認知していますが)そういう方向に広がっていくと思いますし、それを期待したいと思います。」


【世界コスプレサミット2015国際シンポジウム】
「文化交流・観光におけるポップカルチャーの役割」
開催日 2015年8月1日(土)
会場 名古屋国際ホテル 葵の間・菊の間
主催 世界コスプレサミット実行委員会
運営 世界コスプレサミット学術委員会

2015年シンポジウム登壇者(発表順・敬称略)
 ・小栗徳丸(世界コスプレサミット実行委員長・株式会社WCS代表・一般社団法人世界コスプレ文化普及協会理事長)・司会 中村仁(日本経済大学大学院経営学研究科准教授) 八巻恵子(就実大学経営学部准教授) 出口竜也(和歌山大学観光学部教授) 新美 潤(外務省国際文化交流審議官・大使)

【関連記事】
【WCS2014】国際シンポジウム開催(2014/8/18記事)
【WCS2012】国際シンポジウム「エンタテイメントとしての聖地巡礼とコスプレ」
 (2012年8月8日記事)


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